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うつ病とうつ状態と睡眠の関係について

うつ状態とは、抑うつ気分、落ち込み、思考力低下、集中力低下、食欲不振または過食、不眠、ものごとの興味関心がなくなるといった状態のこと。

うつ病とは、上記のうつ状態が二週間以上続いて、日内変動(朝気分が悪く、夕方になると比較的良い)があること、抗うつ剤が効きやすいのが特徴的。
そして、今までに経験したことのないような酷い落ち込みが続く。

子供の不登校など精神問題の原因は、日本では、「脳の栄養不足」と言われている。
オランダでは、「妊娠中の喫煙または間接喫煙(副流煙)と飲酒」が原因だと言われている。

漢方的には、うつ状態やうつ病や不登校などの精神問題には、「腎虚(じんきょ)」が深く関係していると考えられている。
漢方でいう腎は、「骨を主り,髄を生じ、脳に通じる。」とされている。

コロンビア大学の調査によると、比較的若い人(20~40歳)のうつ病と就寝時間の関係をみると、夜12時以降に就寝する学生は、夜10時前に就寝する学生と比較して、うつ病に罹患するリスクは24%高く、自殺の発生率は20%高くなった。
早寝は、うつ病予防の第一歩といえる。

勉強やバイトに仕事や対人関係に家計のやりくりなどで「ストレス」があるとなぜか深く眠れなくなる。

ストレスを感じていると、いつもより眠気は感じているのに、いざ眠ると「眠りが浅い」「何度も目が覚める」「熟睡感が得られない」とお悩みの方も多いもだ。
これは、ストレスを受けたときに分泌される副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)のせい。

このホルモンには、外敵から身を守るために睡眠を抑制して身体を緊張させる働きがあるため、ホルモンが分泌されると深い睡眠を得ることが出来なくなる。

しかも矛盾したことに、このホルモンの分解は睡眠中に行われるため、強いストレスが続いていると分解に必要な時間を確保するために、「眠りたいという欲求」が高まってしまう。

そのために、ストレスがかかると眠気はあっても熟睡は出来ないというスッキリしない状態におちいってしまう。
これが長期間続くと自律神経が失調して、うつ状態になることもある。

したがって、この負の状態を克服して深い睡眠を得るためには、ストレスをうまく解消して、ACTHの過剰な分泌を防ぐために、漢方薬によって体質を根本的に改善する必要があると考えられる。

執筆:高木漢方 高木佳久

2014年9月24日