健康情報、漢方関連のトピックを掲載しています。

花粉シーズン到来に向けて漢方で対策を!・・でも間違いまくりの漢方使用にご注意

花粉シーズンにはまだ時間がありますが、年明けくらいから「予防のために薬を飲みましょう」なんてことを耳鼻科さんで言われる人が増えてくるかと思います。ただ、注意してほしいのは「花粉症の症状改善に用いる漢方薬を飲んでも予防にはならない」ということ。

お医者さんが最も頻用している花粉症の薬といえば(そもそも花粉症の薬ではないんですけど)小青竜湯でしょう。
ただし小青竜湯は「標治」、いわゆる「今そこにある短期症状」を治す薬であり、予防には使えません。
もし予防を考えるのであれば「衛益顆粒」など体の免疫、防御能力を高める漢方薬をお使い下さい。
漢方での予防についてまとめておきますと漢方には「扶正祛邪(ふせいきょじゃ)」という治法があります。
扶正は体に力をつけて回復力を高め害毒から身を守る=「予防」にもつながるもの(衛益顆粒はここ)。
祛邪は「体にすでに入った」害毒を追い出すもの。
(葛根湯や小青竜湯はここ)
だから祛邪は性質上予防にならないわけです。

小青竜湯はアレグラやアレジオンとは全く別物です。
予防にはならないし長期服用で体には負担がかかる。だから花粉症のシーズンだからって30日とかバンバン処方されているようですがもともとそのような使い方をする漢方じゃないということは覚えておいてください。葛根湯、小青竜湯、麻黄湯などの「発表剤」は長期連用には不向きですのでお気をつけくださいね〜!

執筆:漢方のスギヤマ薬局 杉山卓也

2017年12月18日