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腎機能と中成薬

臓器の中でも今ひとつ地味というかあまりクローズアップされないことの多い「腎臓」ですが実は人の生命維持には絶対に欠かせない大切な臓器です。腎臓の機能は主に老廃物を体から追い出すというもので、血液を濾過して老廃物や塩分を尿として体の外へ追い出してくれます。 また、あまり知られてはいませんが体に必要なものは再吸収し、体内に留める働きもしています。 この腎臓の働きが悪くなると尿が出なくなり、老廃物などが体に蓄積し、重篤な機能低下に伴い「尿毒症」と呼ばれる危険な状態になります。腎不全の状態になると自己機能だけでは生命の維持ができなくなってしまいますので人工透析を受ける必要性が出てきてしまいます。腎臓は肝臓と同じように「沈黙の臓器」であり、腎機能低下はかなり進行しない限りはほとんど自覚症状がありません。むくみや体のだるさなどで気づく場合もありますが、いずれの場合も初期段階で気づくためには定期的な血液検査により腎機能のチェックが欠かせません。慢性腎機能低下症(CKD)と呼ばれる方は年々増加傾向にあり特に塩分過多、脂肪分やタンパク質過多の生活をしている人や不規則な生活習慣を続けている人や尿酸値の高い方、喫煙者などに危険度が高くなります。こうした生活の見直しも大切ですが中医学の考えにおいても腎機能を含む「腎」の役割は非常に重要で、免疫、造血、水分代謝、呼吸、ホルモン分泌など様々な体の機能維持のための根幹を担う場所として捉えられています。腎の働きを改善させるために「補腎薬」というカテゴリの漢方薬を用いますが、一度低下してしまった腎臓機能は不可逆的で基本的に回復することはありません。CKDの改善や進行を遅らせるために生活改善に加え、服用される御本人にマッチした補腎薬と冠元顆粒(かんげんかりゅう)が効果を発揮ます。健康長寿には腎機能の保持が大きな関わりを持ちます。

腎機能を表すクレアチニン値が高い、CKDを指摘されたという方はお早めにご相談下さいませ!

2019年1月10日