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一番大切な言葉

一番大切な言葉

先日こんなお電話がありました。
「「口内炎」が不安でたまらなくなり、体調がおかしくなりました」

聞けば口内炎がなかなかに治らず、痛みに苦しんでいるうちに「何か大きな病気ではないか」という心配するお気持ちが膨らみ、それがいつしか頭の中にいっぱいになってしまった、ということでした。
皆さんであればこんな時、どうされますか?
「なんでもないよ大丈夫だよ」というお言葉をかける、という方は少なくないのではないでしょうか。
そういう時に人を一番不安にさせる言葉、そして一番不安をとりさらう言葉、私はどちらも「大丈夫」という言葉であると考えています。

私は検査のできるお医者様ではありません。精密な検査を要するような不安の種はやはり検査を受けて問題がない、とわかるまで安心できないという方も当然おられます。しかし、当店にお出でになる方はいわゆる「心の病」を抱えておられる方が多くおられます。普通の状況であれば「心配あるわけがない」と一笑にしてしまうようなことも心の大部分を占め、それがいつしか本当の体調不良を呼んでしまう・・そんなケースが後を絶ちません。

そんな心の時に自分で本当に悩んでいることを誰かにバカにしたように「大丈夫」と言われたらどうでしょうか?その方の不安は取れるばかりかますます深く、内に沈み込んで行くことでしょう。私はそういう心の在り方を日々多くのご相談を受ける中で痛いほど理解しているつもりです。
ですから私はまずはしっかりと、真剣にお話を聞きます。そして私の経験と知識で問題がない、と判断できることについてはできるだけ詳しくそのメカニズムや治り方について詳細に説明した上で、今までに同じようなお悩みを持った方の経過などを紹介した上で「大丈夫」という言葉を最後の最後にかけさせていただいております。もちろん必要を感じる時は適切な医療機関を紹介し、検査などをお勧めします。

大切なことはその方の不安を誠心誠意受け止めた上で「大丈夫」という言葉を大事に使うということだと思います。

ちなみに冒頭の口内炎のお客様は私自身の特大口内炎のエピソードを交えてお話したところ、不安感がなくなり笑顔でお帰りいただくことができました。

執筆:漢方のスギヤマ薬局

2015年8月5日