アトピー性皮膚炎と漢方
時期を問わずアトピー性皮膚炎のご相談は多いものです。
アトピーは大きく分けますと乳、幼児期と青年以降期に大別されます。
その原因も実は異なり、乳児期の場合は胃腸系の発達が遅いことが原因のケースが最も多く、消化吸収がうまくできないことで分子量の大きな食べ物がアレルゲンになってしまうケース、または皮膚が出来上がっていないために皮膚免疫が弱いというのが原因になるケースが多く見られます。
次に幼児期ですが、この時期はハウスダストや食物アレルギーを原因とするケースが多くなります。引き続き胃腸機能が弱いというのも原因になりますので胃腸周辺のケアも大切になります。そして最後の青年期以降ですが、この時期はストレスや乱れた生活習慣などが大きな原因となりますので発症がココまでまったくなかった方にも出てくるのが特徴です。それぞれについて西洋学では同じような治療になりがちですが、漢方は原因究明と改善が主体となりますので、それぞれの原因を改善させるための漢方薬を用いていきます。
体内の臓器、臓腑を漢方で考えれば消化吸収を担う「脾(ひ)」、外部からの刺激物に対する抵抗を担う「肺(はい)」、乾燥やむくみなどの水分代謝の要となる「腎(じん)」のバランスの崩れがアトピー性皮膚炎の原因を作りますのでこうした臓器の機能改善、強化が大切になります。
それぞれの年代、原因をきちんと分析した上でその人に求められている漢方薬をお選びすることが何よりも大切になります。特に皮膚疾患は漢方の選択が難しいものですので必ず知識を持った専門機関でのご相談をしていただくようお願い致します。
2017年2月17日