健康情報、漢方関連のトピックを掲載しています。

水は積極的に摂ったほうがいいの?

夏時期になるとテレビでは「熱中症予防のために水分をしっかり摂りましょう!」の大合唱が起こりますよね。

確かに人間の体の大部分は水分でできています。適度な水分摂取はとても大切なのですが、老若男女、体重も体質も生活環境も異なりますよね。どんなものでも過剰にとったら害になります。

「水はどんどん飲みなさい」

「1日2リットルは飲みなさい」

こんな風に医療関係者や誰かに言われた経験をお持ちのひとは多いと思いますが、中医学には「水滞(すいたい)」という病態を示す言葉があります。読んで字の如く、体内に過剰な水分が停滞してしまった状態のことを言います。

この状態になると、めまい、耳鳴り、頭重、吐き気、むくみ、だるさなどが次々に起こります。

中医学ではなくても「水中毒」という言葉も最近耳にするようになりました。ようやく過剰な水分摂取の危険性に警鐘を鳴らす向きになってきているのは喜ばしいとは思いますが、まだまだ「水はたくさん飲んだほうがいい」と妄信的に信じて体調を崩しても水を毎日真面目に飲み続けている方が多いのも事実です。冷えた水はできるだけ飲まないこと、一気に大量の水を飲まないことなどに注意していただき、体調不良が出た時は水の過剰摂取を止めるように心がけておいて下さい。

2020年8月6日