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「出せばいい」で済まされない便秘

便秘に悩まれておられる人は大変多いのですが、相談を伺っていて便秘について話をしますと「下剤で出してるので」と結構簡単におっしゃる方が多いのです。が、これ実は問題ありありです。

便が腸の状態を知らせてくれている、という話は以前にも何度かしておりますが腸内の便が出し切れていない状態は悪玉菌が腸内に増えている、と言う事でもあります。悪循環なのですが、悪玉菌が腸内に増えると便がベトベトになったりコロコロになったりとますますスッキリ出なくなってしまうのです。

悪玉菌の多い便の特徴は ①ベトベト ②黒っぽい・くさい ③量が少ないというのがあります。この状態が続きますと便の臭いがキツくなっていきます。これは腸内腐敗により悪臭を放つガスが発生している証拠です。これを放置しておくと腸だけではなくこのガスは血液中にまで入り込み、体臭まで臭くしていき、病気の原因になります。

じゃあ溜め込まないで定期的に下剤で出せばいいじゃないか、という話になると思うのですが、問題なのは便を出せないのはそもそも腸内環境が悪く、便を出す機能が低下しているということなのです。下剤には習慣性もありますし、ますます腸を冷す性質の為に便秘体質をより頑固なものにしてしまうと言う問題もあります。

考えなくてはいけないのは宿便で汚されまくっている腸壁や腸管を大掃除し、悪玉菌を減らし善玉菌を増やす事です。これこそが本当の意味での便秘体質の改善になるわけです。下剤の性質は残念ながら漢方薬も西洋薬も大きな違いはありません(漢方の方が化学物質よりは習慣性が低く、体質により選べる種類がありますが)。短期的には下剤を最小限に使いながら根本的に便秘体質を改善させることで様々な病気の予防や改善につなげる事が出来ます。

悪玉菌の多い便の特徴に当てはまっている方、慢性的に下剤に頼っておられる方、外食やコンビニ、ファストフード、加工品を多く食べておられる方などなど・・是非一度ご自身の腸のケアをお考えいただきたいと思います。

漢方で便秘体質そのものの改善を考えてみませんか?

執筆:漢方のスギヤマ薬局 杉山卓也

2014年8月7日