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「肺」をいたわり感染症予防、肺は腸とつながる

最近エボラ出血熱が世間を騒がしておりますが、ウイルスや菌体を原因とする感染症の多くは漢方で言えば「肺」が防御し、迎え撃ちます。
「肺」とは、生命力を補充する重要な臓器であり、呼吸を通して「清気」を体に補充し、「濁気」を排出する働きは、西洋医学における肺の呼吸の機能と共通していますが、東洋医学では、さらに広い意味を持ち、津液(体の体液の事です)を体に散布する役割や皮膚の調節作用および、上記したような外部からの感染症などからの防御作用なども担っています。それに加え、水分代謝、汗腺機能、免疫機能も「肺」の機能と関係しています。肺を強化し、感染症を予防すると言うのは漢方独特の考え方ですので、西洋学を中心とした現代医療の中ではなかなかピンと来ないかもしれませんがこれは事実です。肺を強くする漢方薬と言うのは様々なものがあり、継続して服用していく事でしょっちゅう風邪をひいたり感染症にかかる、というお子様や高齢者の方々の体を強くしていくことが期待できます。ワクチンや抗生物質を用いたりする治療ももちろん状況に応じて必要ですが、まずはそうした外部からの邪から体をしっかりと守る為の体作りを考えてみてはいかがでしょうか。ちなみに体を守る免疫機能の60%以上は腸に存在する腸内免疫が担っており、漢方の考えでも肺と腸は密接につながっているとされています。当店でも免疫力の強化には腸のケアを重要視しておりますが、現代医学で解明された事実を数千年も前から理解し、実践していた先人達の知識はやはり驚くべきものがありますね。
お悩みの方は是非一度ご相談ください。

執筆:漢方のスギヤマ薬局 杉山卓也

2014年9月6日