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【心・脾を補い健やかな秋を迎えよう】

 

夏の時期は漢方で言いますと「心(しん)」に負担をかけやすい時期として定義されています。心とは心臓機能を指すのはもちろんなのですが、その他にも不眠・健忘・神経症などの自律神経にも関わる場所として考えられています。夏の暑さでまずこの辺りに消耗が出ます。次に夏の中盤から後期にかけては「脾(ひ)」に負担がかかりやすくなります。脾とは脾臓のことではなく、胃腸を中心とした消化器系全般のことを指します。脾は胃腸の持つ消化吸収の働きの他に、血液や体内エネルギー、体液などの「運搬」を担う部位として考えられています。夏の不養生などでここが弱りますと食欲不振・嘔吐・無気力・貧血症状などが出るのはこのためです。

前回夏バテの改善のための漢方薬のお話を少ししましたが、秋の時期に入ってもこうした症状が取れない、という場合はこの心と脾を同時に回復させる漢方薬を用いてみると良いと思います。

特に無気力や自律神経の失調などを伴う方はお試しいただくと良いでしょう。

執筆:漢方のスギヤマ薬局 杉山卓也

2015年9月1日