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心のお悩みに漢方の力を!

心のお悩みに漢方の力を!

今回はご相談の大変多い「心のお悩み」について。精神不安定をきたす原因は様々ですが、驚き、恐れ、精神的ストレスなどによって精神が大きく揺さぶられる事で起こる不眠、イライラ、落ち着きのない状態などは性質として「実証」(動きが強く強い力が制御出来ない状態)よりのケースが多くなります。

また、長く思い煩うことで精神に対する栄養を補えなくなることで生じる動悸、不安、焦燥感、健忘、不眠、中途覚醒、多夢などの症状は「虚証」(滋養するためのものが不足してしまう状態)の性質に分類されることが多くなります。

実証の場合は「重鎮安神薬」や「清熱薬」を中心にした構成での治法が主体に。虚証に対しては養血滋陰薬と寧心安神薬という種類をベースにした中成薬を用いて行きますが、メンタル疾患で難しいのはこれら両証の薬を適時組み合わせる必要が度々あること!その他の悪化要因として痰や熱などが関与することもあり、体内に「こもる」ことで精神不安を作り出すケースも。痰や熱をさばく生薬や中成薬を組み合わせることもしばしば。やはりメンタルは薬の選択が難しいので自分で選んだりしない方が無難です。

一例をあげてみますが、重鎮安神剤は日本で手に入れようとなると桂枝加竜骨牡蠣湯、あるいは柴胡加竜骨牡蠣湯などが手軽かと思いますが、真珠や琥珀などの鉱物系の生薬を集めた「ミンハオ」が大変オススメです。竜骨牡蠣湯などの既存の薬剤に組み合わせると更に効果アップです!

執筆:漢方のスギヤマ薬局 杉山卓也

2016年6月16日