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この時期に増える湿気が作る「痰湿」体質に注意を!

湿気の多い時期ですね。この時期は特に胃腸系に余剰な水分が停滞しやすい時期です。これは体に害をなす余剰な水、ということで「痰湿(たんしつ)」と呼ばれます。痰湿は水分の代謝が悪く、身体にとって余剰な水分を上手にさばけません。そのため、溜まった余剰な水分が身体に害をなすことにつながります。具体的には胃腸の不調、だるさ、吐き気、めまい、耳鳴り、むくみ、場合によってはメンタルの不調(うつなど)を引き起こすこともありますので注意が必要です。「暴飲暴食水太りタイプ」の方の多くもこのタイプです。ご自身の舌を見て白い(場合によっては黄色)苔にベッタリと覆われていた場合も可能性が高くなります。

痰湿タイプは先天的な場合もありますが、過食になったりすることで急性的な痰湿体質に傾くこともあるため注意が必要です。

食べ過ぎ飲み過ぎが続くことで痰湿体質が作られます。

この場合に避けてほしいのは、やはり高カロリー食品(とくに糖分と脂肪分)の過剰摂取です。痰湿はベタベタしている性質ですので、やはりベタベタした糖分や脂肪分と非常に相性がよく、これらと一緒に体内に停滞します。

反対に痰湿をさばく食材としては食物繊維の豊富な野菜や穀物類、海藻や根菜(ごぼうやれんこんなど)を積極的に摂ったり、春雨や緑豆などもお勧できます。夏野菜もいいのですが、身体を冷やすので摂り過ぎには注意が必要です。痰湿とは身体に入って処理しきれない老廃物、という考えていただければイメージしやすいかと思います。

・・と、いうことはやはり、早食いや大食いは避けなくてはいけません。

これが続くと胃腸に負担を与えて消化吸収にトラブルを起こしてしまいます。

ストレスから過食したりすることも多くなります。繊維質が豊富なものを温めて、ゆっくりよく噛んで腹八分目位に食べる、ということを心がけていただければ、あまり過度に心配しなくても痰湿体質が増悪することは少なくなると思います。湿気の多いこの時期には、とくに注意して以上の生活をしてみてください。

執筆:漢方のスギヤマ薬局 杉山卓也

2017年6月20日