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耳鳴りの漢方薬

耳鳴り、厄介ですよね。耳の悩みで多いのは、難聴、耳鳴り、聴力の低下(耳が遠くなる)等があると思います。耳鳴りと難聴には密接な関係性があると言われています。音を聴く仕組みの障害(難聴)が耳鳴り発生の原因にもなっているからです。

音を聴く仕組みに障害が起こる原因としては加齢、ストレス、大きな音を聴く、耳への異物混入、耳垢のたまり過ぎなどがありますが、物理的に取り除ける要因以外は症状が長期化、慢性化しやすい傾向にあります。中医学の治療におきましてはこれらの根本的な原因に対処しながら耳鳴りの難聴の解決を目指しますが、難治性の場合で漢方薬の継続的な服用が必要となる場合が多いです。
特に強いストレスを感じた時やコンサート等で大音量を聴いた後に起こる難聴や耳鳴りで一時的な症状で収まらない場合は漢方薬による早めのケアで慢性化を防ぐことができます。

耳は五蔵の中でも腎と非常に関係が深く、特に加齢による聴力の低下や耳鳴りには腎のケアが欠かせません。特にストレスなど精神的な要因がある場合は肝に不調が起きていないかというところを見ます。耳疾患は根治させるのが難しい疾患の一つで急性症状でも慢性症状でも早期の漢方治療のスタートが求められます。実際に使う漢方薬としては腎の失調の場合は「補腎薬」と言われるカテゴリのものを使います。肝の失調の場合は逍遥顆粒や釣藤散などを使います。また、これらを組み合わせた「滋腎通耳湯」という耳鳴りに特化した漢方薬もあります。大切なのはご自身がどの耳鳴り、耳の失調タイプを出しているのかをきちんと判断するということです。お悩みの方はぜひご相談下さい。

2022年3月15日