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唇の荒れ、口内炎、口臭〜内臓の「内熱」にご用心!

この時期は口内炎や唇の荒れのお悩みが増えてきます。

これは実は中医学的に考えると「内臓の熱」と捉えることができる場合があります。
内臓の熱、というのは例えば夏時期に冷たい飲食物を多く摂りすぎることで胃腸機能が落ちて起こる「湿熱(しつねつ)」や、暴飲暴食に寄って引き起こされる「胃熱(いねつ)」と呼ばれるもの、あるいは多量の発汗などにより体内の潤いが消耗して起こる「陰虚熱(いんきょねつ)」など、その種類は多岐にわたります。

こうした体内に起こる熱が上焦(じょうしょう=上半身のこと)に上がっていくことで今回のテーマである口内炎や唇の荒れの原因になることがあるわけです。(口臭に繋がることも)

こうした症状については湿熱の場合は湿熱を取り去らう漢方薬(竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)など)、胃熱が起きている場合は胃内の消化能力を高めて胃熱を抑える「平胃散(へいいさん)」や「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」などを用いたり、陰虚熱に対しては体内の潤いを回復させることで症状を改善する麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)や温経湯(うんけいとう)などを使うこともあります。
大切なのはその起きている原因に応じた漢方薬を適正に選び、使用することです。夏時期のこうした熱による炎症症状は見極めが難しいものが多いため注意が必要です。

お悩みの方はぜひご相談いただければと思います。

2022年7月5日