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健忘症と認知症の違いを知ろう

「認知症」と「健忘症」、どちらもお耳にされたことがあるのではないでしょうか。しかし「その違いは?」と聞かれた時にすぐに答えが出る人は意外と少ないと思います。

簡単に違いをお話すると忘れてしまったこと自体は覚えているのが健忘症、忘れていること自体を忘れているのが認知症です。 たとえば、数分前に食事をしたとします。 食事をしたこと自体は覚えているけれど、食事内容が思い出せないのが健忘症で一方、認知症は食事したこと自体を忘れてしまい、また食べようとします。ではこの2つがまるで別物か?と言われると健忘症を放置しておくとそのうちの一定の割合が認知症に進んでいくこともあると思います。

漢方、中医学的に「健忘」を捉えると「心血不足(しんけつぶそく)」がこれに当たります。過度の不安や心配、睡眠不足などが続きますと脳を動かす栄養である「心血」が不足し、それが集中力の減退や記憶力の低下を引き起こします。この状況が長引くことで脳への栄養供給が悪い状態が続くわけですから次第に認知能力が低下していくこともありえる、という解釈ですね。漢方、中医学独自の対策として魅力的なのはこうした健忘症の改善には何よりも脳に栄養である「心血」がうまく届くように「脾(胃腸系)」や「肝(自律神経の調整や新陳代謝のコントロール)」を元気にする生活習慣や漢方薬を指導できるという点。

「健忘」という物忘れにお悩みの方はお早めにご相談をいただければお力になれると思います。

2022年11月19日