台風などの気候変動に伴う体調不良に
夏の終わり頃から既に大きな台風が何度も日本を襲い、全国各地で被害を出しています。
今までと異なるのは自らは動くことができない台風がまさに「迷走」するように進路を変えていく、ということ。これは気候変動の影響により、太平洋高気圧の位置が変動していることなどが原因とされています。台風の進路は大気の流れ、偏西風や太平洋高気圧の位置と強さに依存するとされており、最近ではこれらの風の流れが従来と変わるパターンを見せることが多くなっているそうです。
こうなると我々の体にも様々な従来とは異なる影響が起こります。従来であれば台風一過の翌日には爽やかな晴れを迎えるはずがいつまでもダラダラ雨が続いたり、つい今まで晴れていた空からゲリラ豪雨が降ってきたり、と温度や湿度が目まぐるしく変化することで、特にめまい、耳鳴り、むくみ、だるさ、嘔気、下痢などの症状が長く続く傾向にあります。さらに自律神経にも悪影響が継続する事が多く、不眠や精神不安定、パニックなどの精神疾患の引き金になることも以前よりも増えていると臨床現場で感じています。
こうした天候や気候変動に対して「これをすればよい!」という断定的な対策はありません。
やはり人間も自然の一部ですからそうした影響から完全に逃れることは難しいと思います。ただ十分な睡眠、適度な運動、栄養バランスの良い食事など、基本的な生活養生はいついかなる場合でも効果的ですし、重要です。地震や台風の対策と同じように、「できることだけはしっかり対策し、あとは過度に恐れすぎない」ということが大切な自然との向き合い方だと思います。
それでも辛い症状には我慢ができない、ということももちろんあるでしょう、そんな時は漢方薬をお使い下さい。体調が崩れる原因を見定めたうえでその問題点を整え、取り除くことで根本的な改善へと向かうための素晴らしい支えになってくれると思います。秋口に入り、涼しくはなってきても季節の変わり目、大気の不安定な時期になりますのでしっかりと養生していきましょう!
2024年9月5日