病気の時刻表について
病気には、一日の間にそれぞれ悪化する時間帯があります。それが病気の時刻表です。
①気管支ぜんそくの発作は、明け方(午前4時ころ)に起きます。
気管支は昼間に太くなり、夜になって眠ると次第に細くなり、明け方に最も細くなります。しかも明け方は免疫力が衰えているため、発作が起こりやすくなります。
女性の気管支ぜんそく患者は、生理前または生理後に発作が起こりやすいです。
さらに、気管支ぜんそくは、秋に悪化するという季節性のリズムもあります。
②血管攣縮型狭心症(異形狭心症)は、午前4時から6時に起きやすいものです。
心臓に酸素や栄養を送っている冠状動脈の痙攣で起こり、明け方の就寝中に見られます。
③労作型狭心症は、午前9時に起きやすいものです。
身体を動かし、心臓に過剰な負担がかかって起こります。
④心筋梗塞と脳梗塞は起きがけが危ないとされています。
血圧上昇、脈拍数の増加、血液が固まりやすいためだと言われています。
特に起こりやすいのは「朝・月曜日・月初め・冬」だとされています。
⑤胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、夜に作られるといわれています。
たとえば、夜10時に就寝する方なら、午前2時ころに成長ホルモン分泌が最も盛んになることによって、胃酸がたくさん出て、胃潰瘍や十二指腸潰瘍が進行します。
⑥睡眠中にがん細胞が増殖します。
睡眠中は体の代謝が最も活発になる時間帯です。がん細胞も例外なく活発に増殖します。
このように、病気によって活発になる時間帯があります。漢方薬を使用するにあたって、病気に合わせて、服用時間を変えてみるこころみも始まっています。
病気や体の不調でお悩みの時は、お気軽にご相談くださいませ。
執筆:高木 佳久
2014年1月30日