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イライラ物忘れ・・それは「心血不足」かも

春はイライラが増す季節・・これは入学、卒業、進学、入社など環境の変化が起きやすいという春特有の状況の影響もあるのですが、それだけではなく春自体が中医学で「肝」と呼ばれる自律神経や感情をコントロールする部位に刺激や負荷を与える時期である、ということが大きな原因です。

ですからある程度は仕方がないことではあるのですが、このイライラ状態を放置したりストレスを日常生活でも溜め続けるようなことをしてしまうと肝の失調が別の部位である「心(しん)」にまで波及してしまうことがあります。そうなると心の失調が起こることになり、具体的には集中力が低下する、物事の理解力が低下する、夜の寝付きが悪くなる、物忘れが激しくなる・・といったものが多く起こります。中医学ではこれを「心血不足(しんけつぶそく)」という病態としています。

最近になってこうした症状が続くようになった・・とお悩みの方はこの肝の失調→心の失調という悪循環が起きてしまっている可能性があるかもしれません。心血不足の解消には「心脾顆粒(しんぴかりゅう)」などの漢方薬をよく使いますが、この場合は心血不足だけでなく大元になっている「肝」の失調も同時にケアする必要性がある可能性があります。イライラと脳の働きの低下を同時にこの春の時期に感じている方はぜひご相談ください。

放置により5月病に移行してしまうこともあるのでできればお早めのご相談がお勧めです。

2023年3月28日