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長引く呼吸器の不調に漢方を!

長引く咳が喘息になってしまった・・ずっと空咳が続いている・・そんなご相談が冬になると増えます。これは「肺の陰虚」という病態が起きている可能性があります。

陰虚というのは「津液(しんえき)」と呼ばれる体の潤いが不足してしまっている病態のことを指します。秋冬の時期は乾燥が強まりますのでもともと乾燥に弱い肺の潤いが不足しやすく、肺の陰虚に傾きやすくなる時期です。更に高齢の方は加齢に伴い陰虚が常態化している方も多いもので注意が必要になります。

また、急性の熱病(新型コロナやインフルエンザなど)で急激に肺の津液が消耗することで肺の陰虚になってしまうこともあります。こうした熱病の後にずっと空咳が続いたり喘息症状が起こったり皮膚の乾燥が起きたりする、というのはまさに肺の陰虚に陥っている可能性があります。こうした状態に対して病院ではステロイド剤や咳止めなどの薬が処方されますが、残念ながらなかなか根本的な改善には至りません。西洋薬では症状自体を抑え込むことはできても「津液の不足」という中医学的な問題の解決には至らないことが原因です。

肺の陰虚に用いることができる漢方薬としては「八仙丸(はっせんがん)」や「麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)」などがあります。肺を潤す麦門冬(ばくもんどう)を主体とする漢方薬ですが長引く改善しない肺陰虚症状に心当たりがあり、お悩みを感じている方はぜひご相談下さい。きっと改善のお役に立てると思います。

2024年2月2日