考えすぎて頭が疲れてしまう人の養生法と漢方薬
「気づいたら同じことをぐるぐる考えている」「布団に入っても頭が休まらない」・・そんな悩みを抱える方は少なくありません。中医学的には、これは「肝」の疏泄機能の乱れと「心」「脾」の消耗が関わっていると考えます。
考えすぎ(思慮過度)は脾を傷つけるとされ、脾が弱ると気血を十分に作れなくなります。すると心を養う血が不足し、不眠や動悸、集中力の低下につながっていきます。さらに現代人はスマホやパソコンで常に情報を浴び続けているため、肝の疏泄がスムーズにいかず、イライラや頭重感、目の疲れも重なりやすくなります。つまり「考えすぎ疲れ」は、脳だけの問題ではなく、心・脾・肝のバランス全体が乱れているサインと考えられます。
養生法としてまず大切なのは、「考える時間」と「考えない時間」を意識的に分けること。夜は照明を落とし、スマホから離れて、湯船にゆっくり浸かる時間を作りましょう。首や肩をゆるめるストレッチも巡りを助けてくれます。食事では、脾を補う山芋やなつめ、血を養う黒ごまや小松菜などを取り入れるのもおすすめです。反対に、冷たい飲食物の摂りすぎは脾を弱らせるため控えめに。冷たいものも控えましょう。
漢方薬としては、思慮過度により心と脾を同時に傷めてしまう(これが一番多い傾向にあります)心脾両虚タイプには「心脾顆粒」がよく用いられます。不眠や動悸、食欲不振を伴う場合にも非常に適しています。一方、イライラやため息が多く、緊張が抜けにくいタイプには「逍遥顆粒」が候補になります。ストレスによる肝気鬱結という病態を改善し、気分の巡りを整えてくれます。両方の傾向が混ざっている方も多いので、体質や症状に合わせて選ぶことが大切です。
傾向として、考えすぎは、真面目で責任感の強い方ほど陥りやすいものです。そんなご自身を責めるのではなく、「今は疲れているんだな」と受け止めて、体からのサインとして養生に取り組んでみてください。
2026年7月28日
