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漢方の原点は「腎」の健康から。

漢方相談でよく「腎」という部位についてお話をすることがございます。腎とは一言で言うなれば「生きる源」をつかさどっている部位です。あえて西洋医学的に表現すれば、視床下部から脳下垂体そしてホルモン分泌などをコントロールしているところといえるでしょうか。「腎」がしっかりしている人は、スクスク育ち、若々しく生殖能力も優れ、そして壮年老年期の不快症状も少ないと考えられます。腎で作られる「精」は「生命の根本」をなすものといわれ、親から受け継いだ先天的な生命力と毎日よい生活習慣を送ることで充実すると言われます。つまり未熟児には先天的な不足があると言えますが、正しい養生を送れれば充分補うことができるわけです。生まれてからぐんぐん「腎精」が充実すると体は成長し、やがて男子は精子が作られるようになり、女子は初潮を向かえ排卵がおこり、子供を作ることができるようになります。やがて先天的な力は消耗し、食べ物による補給も追いつかなくなると、腎精の消耗が顕著になり、いわゆる「老化」がはじまります。漢方ではこの「腎」をいかに健康に保つか、ということがいわゆる「元気で長生き」につながっていきます。お子様の成長、そしてお年寄りの健康、これらを実現させていく為に漢方には確立された素晴らしい腎の漢方薬がたくさんあります。ちなみに腎が弱い場合に表れる症状は子供の場合ですと歩くのが遅い、よく転ぶ、歯が生えるのが遅い、夜尿症、体が小さいなど。青年期の場合は性欲減退、インポテンツ、初潮が遅い、無月経など。壮年老年期の場合は生殖機能の低下、閉経が早い、髪が白くなる、耳の聞こえが悪い、足腰が弱る、歯が弱る、歯が抜ける、排尿がスムーズでない、尿失禁などがあります。ご興味をお持ちの方、思い当たるお悩みがおありの方、是非一度ご相談下さい。

執筆:漢方のスギヤマ薬局 杉山卓也

2014年7月5日