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「血圧を下げたい」に思う

先日当店にお越しいただいたお客様のご要望で「血圧を下げたい」というものがありました。

お客様の数値、平均は上下が140/90程度。いくつかの漢方薬局さんや病院を回り、どんな漢方薬を使っても下がらない、ということで申し上げました私の一言が「生活習慣を見直してみましょう」。

と、いうのもお話をお聞きすれば、就寝時間は毎晩2時が数年来続いておられるとのこと。以前から私がお話ししていることなのですが、人間の体は22時~24時で細胞が新生、24時~2時が血液の新生、2時~4時が神経の新生をする時間になります。この時間に睡眠をしている、していないということで新生の進行は大きく変わります。毎晩2時に寝る生活がどれほど血圧に悪影響を与えているか、というお話とともにその生活習慣の改善をお願いしました。

ただ私が思うのは「血圧を下げたい」というお話しの中で血圧を下げることだけに目を向ける現代医療では安易に薬で下げることを優先する中で「なぜ上がったか」という原因を置き去りにするケースがほとんど。病院で言われるとしても「痩せましょう」とか「塩分を控えましょう」とかこの程度でしょう。私はここに「細胞」や「血液」レベルでの改善とそのための生活習慣の改善についてお話を必ずします。

漢方薬は体に負担が少なく、依存性もほとんどないものですが、漢方薬だけでどうにかしよう、とか血圧だけ下げればいい、というものでは決してありません。更に言うなれば人間には140や150程度の血圧が「至適」とする個体が確実におられるのです。だからある数値を基準に、そこを越えたら「ハイ高血圧、薬を(一生)飲みましょう」というのはちょっと待って!と私は思います。無理に血圧を下げたらふらつきや吐き気などの症状が出た、というお話しもあります。「皆が飲んでいるから」「この数値を超えたから」と右に倣えではなく、まずは一度ご自身のお身体のことを見直すためにご相談いただければ、と思っております。

執筆:漢方のスギヤマ薬局 杉山卓也

2014年12月17日