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春に起こる目の不調に中成薬を

前回から引き続いてのお話ですが春は五臓で言うところの「肝」の季節です。

肝は目と深いつながりがあるとされ、確かに春の時期になると目の疲れ、目のかすみ、ぼやけ、眼痛などが表れるという訴えが多くなります。肝の働きには「疏泄(そせつ)」という体のエネルギーや血液を巡らせるいわば「新陳代謝」を担うものや「蔵血(ぞうけつ)」という血液を貯蔵する働きがあります。

目の周囲には多くの毛細血管が張り巡らされており、目の正常な働きはこの毛細血管にスムーズに血液が十分量流れていることが必要です。春の時期になりますとこの疏泄や蔵血の働きに支障が出やすくなり、結果として目の不調が多くなるわけです。

目の疲れに対して外からビタミンの目薬などを使うのも有効ではありますが、残念ながらこうした代謝や血液量の改善に至るものではありません。そこでオススメなのが肝の働きを改善させながら目の機能を回復させる「飲む目薬」こと「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」や目の使いすぎによる充血などには余剰な目の熱を冷ます効果のある「洗肝明目湯(せんかんめいもくとう)」や「星火晴明丹(せいかせいめいたん)」などの中成薬、漢方薬、それに準ずるアイテムが非常に効果的です。

どの漢方薬も体質や状態を考えながら選ぶ必要があるので自己判断ではなく必ず御相談下さい。その他の病態が合わさる場合には漢方薬の併用で全体的な改善に繋がります。

もちろん、なんでも「春のせいだから」とたかをくくるのではなく、実際に何が起きているのか見極めながら目を労ってあげてくださいね!

2019年3月5日