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不眠症の漢方薬!

夜になかなか眠れない、寝てもすぐ目が覚めてしまう・・こんな不眠症状に悩んでいる人は日本人の実に4~5人に1人はいるとされています。不眠の原因としては身体的な要因生理的な問題、心理的な理由、精神的な病気、薬の副作用などに分類されます。西洋薬でも依存の少ない良い睡眠導入剤などが開発されてはいますが、いずれの場合も根本的な解決に至るものではありません。

実は不眠の根本改善には漢方薬が非常に有効です。

例えば①寝付きが悪い・・心脾顆粒、酸棗仁湯、柏子養心丸などを用います。②中途覚醒・早朝覚醒・・柴胡加竜骨牡蛎湯、抑肝散、調胃承気湯など③排尿障害による不眠・・八味地黄丸や牛車腎気丸など、といった感じでそれぞれの原因に対して適正な漢方薬を使うことで不眠の根本的な改善ができることがわかっています。実際に有効性も高いケースが多いんです。

主な原因を中医学的にもう少し詳しくお話しますと、まずは①の「寝付きが悪い」は主に「心(しん)」という部位に障害が起きているケースが多く、心(しん)のエネルギー不足で寝入ることが困難になりがちです。次に②の中途覚醒や早朝覚醒ですが、これは「肝(かん)」と呼ばれる部位に問題が起こっていることで発症することが多いタイプの不眠です。肝は高ぶることが多いのでそれを上手に収めるような漢方薬が先ほど紹介したものになる、というわけですね。そして最後、③の排尿障害による不眠ですがこれは中医学的には「腎虚(じんきょ)」と言われる主に加齢で起こる病態が原因になっていますのでこの腎虚を改善させる漢方薬が効果を発揮します。

不眠の原因もタイプも色々ですが、ご自身の原因はどこにあるのか、そしてどのようにして改善できるのかをしっかりと理解した上で適正な漢方薬をお使いください、ご相談をお待ちしております。

2021年12月21日