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冬は老化の季節?!

中医学の考え方にある「五臓六腑」という概念の中に「腎」と呼ばれるものがあります。これは「腎臓」という臓器も含むのですが、中医学での定義はもっと広く、わかりやすくいうと「人間の成長と老化」を司る場所として考えられています。具体的には骨、歯、脳、髪、肌そしてすべての臓器の「材料」となる「精(せい)」という物質を作る場所と考えられ、生殖能力やホルモンの分泌などにも深く関与するとされます。つまり幼少期に先天的に腎が弱い子供は成長に難が出ることがあり、高齢になって個人差はあれど誰しも腎が弱ってくるのがそのまま「老化」に直結していく、と考えていただければイメージしやすいのではと思います。

そしてこの腎は実は「寒さ」が苦手です。なので冬時期は「老化しやすい時期」とも言えるわけですね。対策としては部屋を温めたり腰回りを温めたりすることで何よりも「冷えを除く」ということが必要になります。

その上で腎の働きを改善する効果のある「補腎薬(ほじんやく)」と言われる種類の漢方薬が有効です。特に冷えの強い方には「腎陽」と呼ばれる熱エネルギーを補うことができる補腎薬である「八味地黄丸(はちみじおうがん)」や「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」、「参馬補腎丸(じんばほじんがん)」などオススメの漢方薬があります。お一人お一人の体質に合わせた漢方薬をご相談の上、お選びしますのでまずはお気軽にご相談下さい。冬時期の老化をできる限り食い止めるために冷え対策と漢方薬をぜひ活かしていただければ、と思います。

2023年1月11日